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日清医療食品の挑戦

内山亜希子×横田千絵×三澤万里子

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池田看護部長と日清医療食品の
スタッフを交えて全員で記念撮影 ▲

三澤:現場での具体的な例では?

内山:新しい試みとして、調理師の病棟訪問を実施しています。これにより、患者様の気持ちを理解して調理をする様になりました。

三澤:現場を知ることで、気づくことってありますよね。調理場から一歩出ていくことで、管理栄養士・調理師の世界観が変わるというか。

「一人一人が徐々に自覚していくものなんだ、
これって大切なことなんだ…」と、わかるようになりました。

横田 千絵

川越胃腸病院栄養科 主任代理 管理栄養士
淑徳短期大学卒業。卒業後、日清医療食品(株)に勤務し、管理栄養士取得。
その後、委託会社の職員として勤務していた川越胃腸病院の理念に共感し、平成10年より同病院の栄養科に移籍。
これまでに、「焼きたてパンの日」や「鮮魚の日」など、他の医療機関では見られない様々な食の提案や人材管理を行っている。

横田:私はもともと日清医療食品の社員だったのですが、前の委託先からここに来た時、「配膳まで栄養科が行う」と聞いて驚きました。栄養士や調理師、パートの方全員がベッドサイドまで行くことで、「美味しかったよ」と言ってもらえたり、いろいろ要望を言われたりする。でも、毎日直接、患者様と顔を合わせることで、「本当に、この人にこうしてさしあげたい…」という想いを、「一人一人が徐々に自覚していくものなんだ、これって大切なことなんだ…」と、わかるようになりました。ただ、こうした取り組みは、思ったら即行動とはいかない難しい部分があるのも事実でした。それには、適切な時期があったのです。患者様に直接お会いするにあたって、知識や接遇面などを、事前にきちんと教育していくことがとても大切だと思います。

三澤:知識や接客上のスキルも必要だという意味ですよね。

内山:そうです。私はこれまでに、大きな病気や手術をした経験がまったくありません。先日も、患者様に質問をして意外な答えが返って来た時、「あ〜、患者さんってこういう風に考えていたんだ…」と強く感じたことがありましたから。

三澤:そういった現場での気づきを、担当する営業や管理部門とはどのように共有し、連携されていますか?

内山:日清の本社・支店スタッフがこの病院に多く訪れています。その中で、管理部担当者が心掛けていることは、配属される者が事前に病院方針を理解し高いサービスに順応できるよう、須藤常務理事からのお話を頂戴することにしています。また、イベントの際には支店スタッフも参加し密接な関係を築こうと努めています。営業担当者においては、「取引先の病院に、ここの食事を食べさせてあげたい…」とか。そして、横の繋がりという意味では、この川越地区のスタッフが中心となって、栄養士・調理師の地区グループ会議という場で、「こういうサービスをしたら喜ばれた、評価が高い」と、積極的に意見交換を行っています。最近では、そうした意見を自身の現場に持ち返って、病院側に新しい提案を行う管理栄養士も徐々に増えて来ていると聞きます。

三澤:それは素晴らしいですね。内山さんや横田さんの気づきが、影響の輪になって広がりを持つ。すると、この病院では当たり前とされているサービスが、今後は他院でもスタンダードになり、医療業界も大きく変わりますものね。ではお二人が、今後、目指していきたいことなどをお聞かせ下さい。

「冷たいご飯だったら食べられるけど、温かいと臭いが気になって食べられない…」という患者様もいます。

内山:私は、患者様の要望に見合ったより細かな対応、サービスを提供したいと思っています。たとえば、抗癌剤などを使用されている場合、患者様の味覚、嗜好は変わります。口内炎といった症状も出て来ます。それにより、食事の幅がかなり狭くなる。それに応えるためには、今までのようなパッケージである、常食、全粥、○○○食みたいな対応ではダメで、個人の症状に合わせて、より細かなニーズを汲み取ったサービスを提供したいです。

三澤:定番の決まったものではなく、より細かい、徹底したサービスという意味ですよね。

三澤万里子 望月院長をはじめ、須藤理事がおっしゃっている、「どんな環境でどんな人達と働くか?」ということに通じるところがありますね。
 
 
 
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